ナイジェリア西部に19世紀から20世紀にかけて存在した都市国家。19世紀初頭より,混乱状態のオヨ王国を逃れたヨルバ族が避難する地となり,彼らはここに共和制的な政府をつくった。そしてフルベ(フラニ)族やハウサ族が北から圧力をかけた時,それに抵抗する後ろだてとなって,次第に南ヨルバランドに勢力を伸ばした。1840年代のキリスト教布教団の入植により近代的要素が入り,外界との接触が容易になって,特にラゴスのイギリス商人との関係が緊密化し,ヤシ油を輸出する貿易が栄える原因となった。こうしたヨーロッパ人との関係の確立は,イバダンやダホメーといった勢力の攻撃に対する防衛にも役立ち,1851年と64年に侵入したダホメー王国を撃退した。1860年代後半に一時イギリスと紛争を起こし,布教団とヨーロッパ人商人を追放したが,93年に協定を結び,独立国として認めさせた。しかし1914年にはついにイギリスの植民地となった。
執筆者:井上 兼行
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西アフリカ、ナイジェリア南西部、オグン州の州都。人口41万6800(1995)。1830年ごろ、奴隷狩りを逃れたエグバの避難民が、岩がちな土地に定着したのが町の始まりである。エグバの首都であり、アベオクタとはヨルバ語で「岩の下」を意味する。ココア、パーム油、パーム核などの集散地で、綿花の取引や綿織物業も盛んである。ラゴスおよびイバダンとは鉄道で結ばれる。
[島田周平]
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