トゥプテンギャツォ(その他表記)Thub bstan rgya mtsho

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥプテンギャツォ」の意味・わかりやすい解説

トゥプテンギャツォ
Thub bstan rgya mtsho

[生]1876
[没]1933
チベットのダライ・ラマ 13世。初め親露政策をとったため,1903年イギリス軍のラサ進駐を招き,モンゴルに亡命。いったんアムドに帰ったが,カム地方に対する清の干渉を退け,独立主張を示すため,08年そこから北京に向った。翌年,ラサに帰ると同時に清軍の追討を受けて 10~12年の間インドに亡命。中華民国成立後も中国の宗主権を否認してチベットの主権回復に努力した。

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世界大百科事典(旧版)内のトゥプテンギャツォの言及

【ダライ・ラマ】より

…8世は政治に関心がなく,権力の独占を摂政などに許したので,実権継承の暗闘が続き,9世から12世までのダライ・ラマは夭折させられる難にあった。13世トゥプテン・ギャツォはロシア,イギリスと清朝の外交政策に翻弄(ほんろう)されながらむなしく独立を叫んで亡命を重ね,帰国後パンチェン・ラマ世と対立し,後者に中国亡命を余儀なくさせた。これが原因となって中国との仲がこじれ,14世は1954年以来中国と対立してインドに亡命している(14世は89年ノーベル平和賞を受賞)。…

※「トゥプテンギャツォ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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