普及版 字通 の解説
17画
[字訓] やぶる・いとう・えらぶ
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
(えき)+攴(ぼく)。は獣屍の形。上は頭部、下はその肢体。風日にさらされて、屍体の解(とかい)する(ときほぐれる)状を示す。これに攴を加えて、(う)って分解することをという。〔説文〕三下に「解くなり」とあり、また「厭(いと)ふなり」「るなり」の両訓を加える。釋(釈)二上にも「解くなり」とするが、釋は獣爪によって獣屍を裂く意。(と)はその残骨。「厭ふなり」の訓は射(えき)と通用し、〔詩、大雅、思斉〕「古の人(いと)はるること無し」、〔詩、周頌、清〕「人に射(いと)はるること無し」のように、両字を用いる。金文に「皇天(いと)ふこと無し」と(えき)を用いる。は獣屍の象ともみえ、また矢に従う形の字である。
[訓義]
1. やぶる、おわる、とける。
2. 射(えき)と通じ、いとう、おこたる。
3. 択と通じ、えらぶ、とる。
4. 度と通じ、ほどあい。
5. 塗と通じ、ぬる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 イトフ・ヤブル・ヤム・トク・ヌル〔字鏡集〕 ヤブル・コヲル・ヌル・ヤム・ヲハリ・イトフ
[語系]
・taは同声。解と敗(とはい)とは同義。ってるをといい、その敗した残屍をという。また・繹jyakの声があり、繹解(えきかい)の意。また射djyakと声が通じて、「いとふ」と訓する。
[熟語]
遺▶・壊▶・耗▶・敗▶・▶・乱▶・倫▶
[下接語]
厭・耗・衰・堕・無
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報