トクタミシュ(その他表記)Toqtamish

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トクタミシュ」の意味・わかりやすい解説

トクタミシュ
Toqtamish

[生]?
[没]1406
キプチャク・ハン国の王 (在位 1378~95) 。チムール (帖木児)援助によって同国の再統一をなし,またロシアに侵入し,その後の1世紀間にわたるモンゴル人によるロシア支配の端緒をつくった。急速に勢力を拡大するにしたがって,チムールにも攻撃をしかけるようになったが,1395年チムールと戦って敗れ,亡命し,のち殺された。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「トクタミシュ」の解説

トクタミシュ
Toqtamish

?~1406(在位1377~95)

ジョチ・ウルス(キプチャク・ハン国)のハンティムールの援助で即位,1378年ママイを破ってジョチ・ウルスの統一を回復し,82年にはモスクワを破壊した。89年よりティムールと対立し,95年ヴォルガ河畔の戦いで敗れて政権を失った。

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世界大百科事典(旧版)内のトクタミシュの言及

【キプチャク・ハーン国】より

…この時代,イスラム商人が活躍し,元朝やクリミアのビザンティン人やジェノバ人との貿易も栄えた。しかし,ジャーニーベクの死後,国の統一は乱れ,ルーシ諸侯も離反するなか,一時,左翼の王であるトクタミシュToqtamishが再統一に成功したが,1395∥96年の冬に,ティムールの侵入をうけてサライも灰燼に帰し,国は急速に衰退していった。15世紀には,支配領域内より,ノガイ・ウルス,ウズベク国家,シビル・ハーン,カザン・ハーン,クリム・ハーン,アストラハン・ハーンの各ハーン国が次々に独立し,16世紀初頭,ついに滅亡した。…

※「トクタミシュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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