最新 地学事典 「トリチウム法」の解説
トリチウムほう
トリチウム法
tritium dating
トリチウム(3H)を用いた年代測定法。降雨によって陸水・海水に移動した水中の3H濃度は,年代tとともにexp(–λt)で減少する(λは3Hの壊変定数)。この年代をもとに水の移動と混合を調べる。年代決定には水が閉鎖系となった時の初期3H濃度が必要。天然の状態では天水中の3H濃度は平均5TU程度。TUはトリチウム単位(tritium unit),1TUは3H/1H=10–18に相当。一方,1950~60年代の大気圏内核実験により,天水中の3H濃度は最高で1,000TU程度となり,現在に至るまで減衰しているため,試料の現在の3H濃度から年代を遡り,天水で実測された3H濃度の経年変化との比較から年代を決定する。水が閉鎖系となってから3Hの壊変により蓄積した3Heの濃度を質量分析法により測定し,現在の3H濃度との和として初期3H濃度を求め,年代を決定する3H─3He法も行われている。
執筆者:角野 浩史
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

