化学辞典 第2版 「トロポン」の解説
トロポン
トロポン
tropone
cyclohepta-2,4,6-trien-1-one.C7H6O(106.12).シクロヘプタトリエンの酸化反応により,また,トロピリウム塩を経由する方法など,多数の合成方法が知られている.無色の液体.融点-8~-5 ℃,沸点113 ℃(2.0 kPa).塩基性を示し共役酸はpKa -0.6.水や多くの有機溶媒に可溶.アルカリに対して不安定で,樹脂化しやすいが,酸に対しては安定である.トロポンはトロポロンより二重結合性が強く,接触還元されやすく,臭素によって付加体を与える.種々のケトン試薬と容易に反応して,結晶性誘導体を与える.[CAS 539-80-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報