トンナン丘陵(読み)トンナンきゅうりょう(その他表記)Dongnan qiuling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トンナン丘陵」の意味・わかりやすい解説

トンナン(東南)丘陵
トンナンきゅうりょう
Dongnan qiuling

中国南東部,チャン (長) 江下流平原の南からベトナム国境まで海岸に迫って続く山地。北東から南西方向に並行する多数の山脈で構成されている。大部分は平均標高 500m前後の低山性丘陵であるが,ナンリン (南嶺) 山脈,ルオシヤオシャン (羅霄山) 山脈,ウーイーシャン (武夷山) 山脈など,標高 1000~2000mの峰をもつ山脈もある。盆地が散在し,地質は丘陵と盆地は赤色砂岩,山脈は花崗岩,流紋岩などである。オウ (甌) 江,ミン (閩) 江,チウロン (九竜) 江,ハン (韓) 江,チュー (珠) 江などが,谷を刻んで南東流する。海岸平野は一般に狭く,おもな都市はこれらの河川の下流平野に立地する。地下資源が豊富で,鉄,石炭タングステンアンチモン,錫,銅,亜鉛などの鉱山がある。また森林が繁茂し,用材のほか,漆,樟脳などを産出。丘陵部は中国最大の茶の産地で,柑橘類の産出も多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android