ドネライティス(その他表記)Kristijonas Donelaitis

改訂新版 世界大百科事典 「ドネライティス」の意味・わかりやすい解説

ドネライティス
Kristijonas Donelaitis
生没年:1714-80

リトアニアを代表する詩人。東プロイセンのリトアニア州の農村に生まれ,ケーニヒスベルク大学神学を学んだのち,トルミンケーメン村のルター派教会の牧師として生涯を送った。村民のドイツ人とリトアニア人に説教を行うかたわら,ヘクサミター(六脚韻)で多くのリトアニア語の詩をつづった。死後,遺稿詩が発見され,ケーニヒスベルク大学教授レーザLudwig Rhesaによって1818年に代表作の叙事詩《四季Metai》がドイツ語訳を添えて発表されるや,内外の絶賛を浴び,たちまちリトアニア国民詩人の名を冠された。《四季》は〈春の歓び〉〈夏の仕事〉〈秋の恵み〉〈冬の災難〉の四部作からなる。リトアニア農村を舞台とし,ドイツ人領主のもとで過酷な労働を強いられたリトアニア人の生活,仕事,結婚式,悲劇が,自然界の美しい描写をまじえながら,みごとに描き出されている。西洋古典の叙事詩にも比肩され,ドイツ語訳4種をはじめとする各国語訳があり,日本語の部分訳もある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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