改訂新版 世界大百科事典 「ドルトレヒト会議」の意味・わかりやすい解説
ドルトレヒト会議 (ドルトレヒトかいぎ)
オランダ教会の重要な会議。ドルト会議ともいう。幾つかの教会会議がドルトレヒト市の大教会を議場として行われたが,もっとも有名なのは1618年11月から19年5月まで開かれたそれである。預定論に反対してアルミニウス派が1610年に発表した宣言を論駁(ろんばく)し決着をつけた。オランダ以外からも改革派教会の神学者が参集した。議長は厳格なカルビニズムに立つレーワルデンのボーヘルマンJan Bogerman。アルミニウス派の宣言の5項目に対応する5章からなる規定を定め,異説を排除した。この規定は以後オランダ教会,およびオランダ系移民の教会の信仰規準となる。日本においては1878年,日本基督一致教会がこれを信仰規準の一つとして定めた。ドルトレヒト規定は,預定論を中心とするカルビニズム体系を樹立した。なおこの会議は,オランダ国内の教会の神学と法規に関して重要な方向付けとなる決議を行っている。
執筆者:渡辺 信夫
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