なかりせば

精選版 日本国語大辞典 「なかりせば」の意味・読み・例文・類語

なかり‐せ‐ば

  1. 〘 連語 〙 ( 形容詞「なし」の補助活用連用形に過去助動詞「き」の未然形接続助詞「ば」の連なったもの ) もし、なかったとしたなら。
    1. [初出の実例]「吾妹子が形見の衣奈可里世婆(ナカリセバ)何ものもてか命つがまし」(出典万葉集(8C後)一五・三七三三)
    2. 「世中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし〈在原業平〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・五三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android