ナゴルノカラバフ自治州(読み)ナゴルノカラバフ(英語表記)Nagorno-Karabakh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナゴルノカラバフ自治州」の意味・わかりやすい解説

ナゴルノカラバフ〔自治州〕
ナゴルノカラバフ
Nagorno-Karabakh

アゼルバイジャン南西部にある自治州。 1923年設立。州都ハンケンドゥイ小カフカス山脈南東端部をなすカラバフ山脈の北東斜面を占め,標高 200~1600m。北西部に小カフカス山脈の最高峰ギャムイシ山 (3724m) がある。平均気温1月-2~-1℃,7月 19~25℃。年降水量 300~800mm。斜面下部は乾燥したステップで,上部は広葉樹林帯から高山草原と変化する。住民のおよそ4分の3をアルメニア人が占め,アゼルバイジャン人も多い。 1992年ナゴルノカラバフ共和国として独立を宣言したが,アゼルバイジャン政府はこれを認めず,隣国アルメニアなどを含む内戦に発展。ウシヒツジを飼育する畜産が主で,夏季には高山草原へ移牧する。ブドウ,クワ (桑) ,コムギ (小麦) ,オオムギ (大麦) ,タバコ,綿花の畑が谷底に集中しており,養蜂も盛ん。工業はほぼ農産物加工にかぎられ,絹,ワイン,乳製品絨毯,木材加工品などを生産する。北部を流れるクラ川支流テルテル川には大きな水力発電所が建設。主要都市とハイウェー,鉄道で結ばれている。面積 4400km2。人口 19万 3300 (1991推計) 。

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