ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニコラ1世」の意味・わかりやすい解説
ニコラ1世
ニコラいっせい
Nikola (Nikita) I Petrović Njegoš
[没]1921.3.2. アンティーブ
モンテネグロ公 (在位 1860~1910) ,モンテネグロ王 (在位 1910~18) 。ニキタ1世とも呼ばれる。パリに学び叔父ダニーロ1世の跡を継いで公位につき,法制,教育などの近代化に独裁的手腕をふるった。 1862年ボスニアの対オスマン帝国反乱を援助して失敗したが,1876~78年再度の対オスマン帝国戦争において勝利。しかしベルリン会議 (1878) では併合領土の放棄を強いられ,独立を認められるにとどまった。姻戚外交で国際的地位の改善に努め,セルビア,ロシア,ドイツ,イタリア各王室に娘を輿入れさせたため「ヨーロッパの舅」とあだ名された。 1905年憲法をしいて議会を招集し,1910年王位を宣して南スラブ統一を目指したが,第1次世界大戦で 1916~18年オーストリア軍に国土を占領された。セルビアとの統合を欲した反オーストリア運動の指導者により,戦後追放。
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