日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニホンダルマガレイ」の意味・わかりやすい解説
ニホンダルマガレイ
にほんだるまがれい / 日本達磨鰈
Japanese lefteye flounder
[学] Arnoglossus japonicus
硬骨魚綱カレイ目ダルマガレイ科に属する海水魚。南日本から南シナ海、ニュー・カレドニア近海に分布する。体は長楕円(ちょうだえん)形で、前3分の1がもっとも高い。上眼は下眼のいくぶん後方に位置する。両眼は狭い骨の隆起で分けられる。口は大きく、下眼の中央部下まで開く。上顎(じょうがく)の前端に数本の肥大した歯がある。鰓耙(さいは)（一種の濾過(ろか)器官）は鋸歯(きょし)状。鱗(うろこ)は体の両側ともに円鱗。背びれ第2軟条は、雄では伸長するが、雌や若魚では伸長しない。体は一様に淡褐色で、明瞭な斑紋(はんもん)がない。水深80～300メートルの砂泥底にすみ、小形の底生動物を食べる。底引網で漁獲される。体長17センチメートルぐらいになる。干物や練り製品の原料にされる。近縁種のトウカイナガダルマガレイとは、短い櫛(くし)状の鰓耙と尖った吻(ふん)をもつことで区別する。
［尼岡邦夫］
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