ニュスライン・フォルハルト(読み)にゅすらいんふぉるはると(英語表記)Christiane Nüsslein-Volhard

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ニュスライン・フォルハルト
にゅすらいんふぉるはると
Christiane Nüsslein-Volhard
(1942― )

ドイツの発生遺伝学者。マクデブルクに生まれる。1964年ヨハン・ウォルフガング・ゲーテ大学卒業。1968年エベハルト・カール大学卒業。マックス・プランク研究所に就職した後、1973年にチュービンゲン大学博士号を取得した。1975年スイスのバイオセンターに移りE・ウィシャウスと共同研究を始める。フライブルク大学を経て、1978年に欧州分子生物学研究所所属。1981年よりマックス・プランク研究所に戻る。

 ウィシャウスとともにショウジョウバエを用いてその体節や体軸の形成機構を研究。体節の発生異常を表現型にもつ突然変異体を解析して、体節の数を決定する遺伝子を明らかにした。また、発生における前後軸及び腹背軸の決定が卵細胞質中の濃度勾配によることも明らかにした。これらの功績により、ウィシャウス、E・ルイスとともに1995年のノーベル医学生理学賞を受賞した。

[馬場錬成]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ニュスライン=フォルハルト
Nüsslein-Volhard, Christiane

[生]1942.10.20. マクデブルク
ドイツの発生遺伝学者。1973年テュービンゲン大学で博士号を取得し,1981年マックス・プランク発生生物学研究所に勤務,1985年同所長。1978年ハイデルベルクのヨーロッパ分子生物学研究所でエリック・F.ウィシャウスとともにショウジョウバエの胚の発生を研究。ハエの 2万の遺伝子のうち約 140の遺伝子が発生を制御する支配的な遺伝子群であることをつきとめた。1995年,ウィシャウス,さらに彼らとは別に体節発生の制御遺伝子配列を発見したエドワード・B.ルイスとともにノーベル生理学・医学賞を受賞。

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