改訂新版 世界大百科事典 「ノンネル」の意味・わかりやすい解説
ノンネル
Nonel
スウェーデンのニトロ・ノーベルNitro-Nobel社が1970年ころに開発した爆薬の起爆システムの商品名。細いプラスチック製のチューブの内面に特殊な爆薬が塗布してあり,この爆薬の爆轟の伝播(でんぱ)を利用して主爆薬にとりつけてある特殊雷管の起爆を行う非電気的起爆法。従来広く行われている電気雷管による起爆法は,迷走電流や雷,静電気などによる不時の暴発,漏電による不発などのおそれがあったが,そのような事故を防止する方法として開発された。日本での使用はまだ一部にとどまっているが,世界的にはかなり広く使われている。その他,特殊なガスの燃焼を利用して同様の起爆を行うハーキュデットHercudet(商品名),電磁誘導起電力により特殊雷管を起爆させる電磁誘導起爆法など,従来の方法と異なる爆薬の起爆方法が研究され,特殊な条件下で使用されるようになった。
執筆者:山口 梅太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報