翻訳|leak
機器を含めた電気回路において必然的数値以上の漏洩(ろうえい)電流が発生する状態をいう。漏洩電流とは電路以外に流れる電流であって、電路の絶縁体の内部および表面ならびに空間を通じて線間または大地との間に流れる電流である。漏電を調べる方法はメガーにより絶縁抵抗を測定することで行われる。対地電圧150ボルト以下の電路では絶縁抵抗値は0.1メガオーム以上、150ボルト超過では0.2メガオーム、300ボルト超過では0.4メガオーム以上の数値が分岐回路ごとになければならない(電気設備技術基準)。漏電の原因は、(1)電路の絶縁物の絶縁劣化、(2)外力による破壊損傷、(3)湿気の浸入、(4)機器の破損がおもなものとしてあげられる。漏電箇所は漏洩電流が流れ続けると加速的にその部分の絶縁状態が悪くなるので注意を要する。屋内配線の漏電は建造物に漏洩電流が流れ、電気火災の原因となる。電気機器の漏電は、これに触れる人が感電して死傷事故を起こすなどの重大結果となることがある。
漏電による事故を未然に防止するには、自動的に漏洩電流を検知して回路を遮断する方法がとられている。高圧受変電設備では地絡継電器(地絡リレー)が設けられ、漏電地絡による零相電流を検出し、自動的に電路を遮断する。また、低圧電路では漏電警報器か漏電遮断器が採用される。電気事業法および消防法関係法令ではこれらの機器の設置の基準を定めている。
[越野一二・市川紀充]
電気配線および電気機器において,電流が所定の部分を流れず,外部に漏れ出る現象。日本の電気設備を規定している電気設備技術基準では,電路(配線や機器において本来電流の流れる部分)を大地から絶縁することを義務付けている。したがって,配線や機器が健全であれば漏電は生じない。漏電が生ずるのは配線や機器の絶縁,とくに大地との間の絶縁が劣化した場合である。低電圧の配線では変圧器のところで接地工事(アース)が施されているので,漏電電流は機器から大地を経由して電源へもどる。この電流を放置しておくと,機器の運転に支障をきたし,電力損失になるばかりでなく,最悪の場合は漏電火災や感電死傷事故を招く。そこで,今日では漏電遮断器を設置して,漏電が生じたら直ちに電源を遮断する対策が講じられている。
執筆者:川瀬 太郎
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