日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ノース・ウェスト・フロンティア州
のーすうぇすとふろんてぃあしゅう
North West Frontier
パキスタン北部の州。北西辺境州ともいう。面積7万4521平方キロメートル、人口1896万4300(2001推計)。州都ペシャワル。ヒンドゥー・クシ山脈とその支脈に属する山地が大部分を占め、わずかに中部にカブール川に潤される平原が広がる。同平原はペシャワル谷とよばれ、紀元前6世紀以来ガンダーラの名で知られ、ペシャワル西方16キロメートルのカイバー峠の存在と相まって、インド亜大陸と中央アジアとを結ぶ回廊として歴史上重要な役割を果たしてきた。仏像も西方の影響のもとに紀元後1世紀末ころにここで成立したとされる。勇猛をもってなるイラン系のパシュトゥン人が主要住民である。
[応地利明]