ノームコア(読み)のーむこあ(その他表記)normcore

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノームコア」の意味・わかりやすい解説

ノームコア
のーむこあ
normcore

ファッション傾向やライフスタイルの潮流を示す表現の一つ。「筋金入りの普通」や「究極のシンプル」を意味する造語で、英語のノーマルとハードコアを組み合わせている。だれもが個性的であろうとしすぎることがかえって没個性化を招き、結果的に徹底して普通であることのほうが個性的である、という逆説的な考え方が基本になっている。ニューヨークのトレンド予測集団K-HOLEが2013年秋ごろに公開したレポートで、このことばを初めて使用した。翌2014年、この内容をもとにした『ニューヨーク・マガジン』の記事が話題となり、流行に敏感なファッションブランドなどが、ベーシックなスタイルを重視したデザインを発表したことによって一般に広まった。ファッション以外にもさまざまな分野に影響を与えている。たとえば、工業製品においては、コモディティ化(汎用品化)が進むなかで、製品のもつ本来の意味は何かを問い直す動きが起きた。

[編集部 2016年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「ノームコア」の解説

ノームコア

平凡で目立たない服を身につけるファッション潮流のこと。「ノーマル」と「ハードコア」を合わせた造語で、「究極の普通」「究極のシンプル」の意味。2013年10月、米国ニューヨークのトレンド予測グループ「K-HOLE」が発表した概念で、黒のハイネックシャツを着続けたアップル創業者、スティーブ・ジョブズの影響が大きい。日本でも14年10月に『フランス人は10着しか服を持たない』(ジェニファー・L・スコット著、大和書房)が邦訳・刊行され、15年7月現在で63万部超のベストセラーになるなど、流行に翻弄され大量消費するファッション傾向から、少ない定番を着回すファッションが見直されている。

(2015-7-14)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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