ハイテク公害(読み)ハイテクこうがい

百科事典マイペディア 「ハイテク公害」の意味・わかりやすい解説

ハイテク公害【ハイテクこうがい】

半導体ニューセラミックスバイオテクノロジーなどの高度先端技術に基づく製造業で,有害な化学物質が使われるために発生する公害。たとえば半導体に付いている油分不純物を洗浄するためには,発癌性があり,肝臓腎臓に対する毒性を持つトリクロロエチレンなどの有機溶剤が使用される。1981年,米国のシリコンバレーで溶剤貯臓タンクから有機溶剤が漏れ,地下水汚染が発生した。このため1985年1月,カリフォルニア州政府が3年がかりで周辺住民の健康被害調査を実施した結果を発表した。それによると,地下水汚染地区の住民の先天異常児出生率,流産発生率は対照地区より2倍から3倍も高かった。日本でも有機溶剤による地下水汚染が環境庁の調査で見つかっている。
→関連項目遺伝子導入動物生物災害バイオ・レメディエーション

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android