はしご状高分子(読み)ハシゴジョウコウブンシ

化学辞典 第2版 「はしご状高分子」の解説

はしご状高分子
ハシゴジョウコウブンシ
ladder polymer

はしご形をした高分子のこと.ラダーポリマー二重鎖高分子(double strand polymer)ともよばれる.耐熱性樹脂として利用される.合成法は大別して,
(1)付加重合
(2)縮重合
の二通りがある.また,ポリアクリロニトリル(PAN)などの熱処理によっても得られる.たとえば,PANを空気中で約200 ℃ に加熱(熱処理)すると図のように環化反応が生じ,環化反応が進むに従い,高分子ははじめ黄色に着色し,その後,茶色黒色と変化する.このPANのはしご状高分子を,さらに1000 ℃ 以上の温度に加熱すると炭素繊維が得られる.なお,はしご状高分子は,次図に示すように構造上スピロ高分子と区別される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android