日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハゼクチ」の意味・わかりやすい解説
ハゼクチ
はぜくち / 沙魚口
javalin goby
[学] Acanthogobius hasta
硬骨魚綱スズキ目ハゼ科に属する海水魚。体はやや細長く、体色は淡灰色。左右の腹びれは合して杯状をなす。日本産のハゼ類中では大形で、全長は40センチメートルに達する。日本、朝鮮半島、中国、ジャワ島に分布する。日本では有明海(ありあけかい)だけに産する。河口の軟泥底にすみ、小エビ類、ゴカイ類などを食べる。産卵期は3、4月。泥底に深さ1メートルに達するトンネルの巣を掘り、その壁に卵塊を産み付ける。生後1年で全長30センチメートルに達して成熟する。佃煮(つくだに)など食用とされる。有明海のハゼ釣りは本種を釣る。
[道津喜衛]
[参照項目] |