日本大百科全書(ニッポニカ) 「はとむぎ茶」の意味・わかりやすい解説
はとむぎ茶
はとむぎちゃ
ハトムギを原料にしたもので、煎(せん)じて茶のように飲む。ハトムギはイネ科(APG分類:イネ科)の一年草で、熱帯アジアが原産。日本には享保(きょうほう)年間(1716~1736)に中国から伝わったといわれている。秋にとれる果実は堅くつやのある外殻に包まれ、長さ8~10ミリメートル程度の楕円(だえん)形である。漢方では、この果実の乾燥したものを薏苡仁(よくいにん)といい、利尿、健胃のほか皮膚の荒れを防ぐとして、古くから用いられてきた。いぼ取りの妙薬としても知られている。また新陳代謝をよくするなどの働きもある。粒食、粉食などいろいろな食べ方があるが、茶には殻付きのハトムギを煎じて飲む。炒(い)ったものにはコーヒーのような風味がある。
[河野友美 2019年9月17日]
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