改訂新版 世界大百科事典 「ハルバ」の意味・わかりやすい解説
ハルバ
Uno Harva
生没年:1882-1949
フィンランドの宗教民俗学者で,K.クローン門下の逸材。1927年まではホルンベルグHolmbergと称していた。神学科を出て初め牧師となったが,再び大学の門をくぐりクローンやセタラらに師事した。学位を得てヘルシンキ大学のフィン・ウゴル宗教学の講師となり,やがてトゥルク大学の社会学の教授となって終生つとめた。クローンの方法に学びながらも自身の方向を開拓,ことに〈民間信仰〉の分野で,膨大な資料を縦横に駆使した研究で知られている。なかでも《アルタイ諸民族の宗教的想像力》(1939。邦訳名《シャマニズム》)は,〈シベリアの“金枝篇”〉と評され,北方シャマニズムの研究を大きく前進させた労作である。
執筆者:菊川 丞
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報