改訂新版 世界大百科事典 「トゥルク大学」の意味・わかりやすい解説
トゥルク大学 (トゥルクだいがく)
Turun yliopisto
1640年3月,フィンランドのトゥルクに創立された大学。現在のヘルシンキ大学の前身。神学,法学,医学,哲学の4学部,11名の教授,約200名の学生で発足した。文献に基づく歴史研究で,フィンランドの歴史学の父と呼ばれるようになったポルタンは,1777年から1804年まで修辞学の教授であった。1800年代初頭のロマン主義運動は,この大学が中心となった。27年9月,トゥルクに大火があり,大学も焼け落ちた。1812年に首都がトゥルクからヘルシンキに移っていたこともあり,大火後大学もヘルシンキに移った。アレクサンドル皇帝大学の名で,28年10月,ヘルシンキでの初講義が行われた。ヘルシンキ大学と改称されたのは,独立後の1919年。96年現在,9学部,教員数1700,学生数約3万2000。現在のトゥルク大学は,1920年の創立で,最初,2万人以上のフィンランド人の献金を基に発足した私立大学だったが,74年,国立大学となった。創立時2学部だったが,現在は6学部,教員数730,学生数約1270(1996)。
執筆者:荻島 崇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報