日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルレンキルヘ」の意味・わかりやすい解説
ハルレンキルヘ
はるれんきるへ
Hallenkirche ドイツ語
広間状教会堂。英語でhall church、フランス語でéglise hallという。身廊と側廊の天井が等高、もしくはほとんど等高に構築されている教会堂である。身廊のボールトの横圧力を側廊のボールトの横圧力で相殺するようにくふうされており、身廊と側廊の境界線に列柱が配列されているだけで、堂内が広間のような構成になっているためこの呼称が用いられる。スペインのカタルーニャ地方や西部フランスのロマネスクの教会堂にまず現れ、のち西ドイツに伝えられて、中世後期の教会堂建築の基本的形式となった。三廊の天井を等高にして堂内を一目瞭然(りょうぜん)にとらえることにより、その装飾的効果を十分に味わうことができる。
[濱谷勝也]