日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハレアカラ火山」の意味・わかりやすい解説
ハレアカラ火山
はれあからかざん
Haleakala
ハワイのマウイ島東半部を占める活火山。標高3055メートル。玄武岩質の楯状(たてじょう)火山で、頂部から三方向に構造上の弱線が走る。頂部には長径(東西)約12キロメートル、短径約4キロメートルの壮大な窪地(くぼち)があり、ハレアカラ・クレーター(火口)とよばれるが、成因は山頂地溝、陥没か侵食によるカルデラなどの諸説がある。火口内には多数の噴石丘や小火口が散在し、月面に似た景観は世界無比と評され、ギンケンソウ(銀剣草)Argyroxyphium DC.の生育地としても有名。1750年ごろに大噴火し、いまも海に迫る黒々とした溶岩流が望まれる。スミソニアン研究所の人工衛星追跡用の観測所があり、山頂まで自動車道が通じ、大クレーター内にも遊歩道が設けられている。ハワイ・ボルケーノズ国立公園の飛び地であったが、1961年にハレアカラ国立公園として独立した。
[諏訪 彰]