ハンプヤード(読み)はんぷやーど(その他表記)hump yard

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンプヤード」の意味・わかりやすい解説

ハンプヤード
はんぷやーど
hump yard

鉄道用語。勾配(こうばい)を下る車両の加速力を利用した仕分け作業を主とする操車場のこと。押上げ線と仕分け線の間にハンプとよぶ小高い丘(高さ2~5メートル)を築き、押上げ線に据え付けた貨物列車を入換え機関車により低速でハンプ頂上に向かって押し上げ、次々と連結器を切り離すことによって斜面を自然転走させ仕分け作業を行う。

 行先別に定められた方向別線に進入して行く貨車を仕分け線内で停止させる方法には、勾配途中に設置したカーリターダー等の自動化機器によって減速し停止させる方法と、入換え作業を行う係員が貨車の側面に乗ってサイドブレーキを操作し停車させる方法があるが、前者が多用されてきている。ハンプヤードは取扱い車数の多い操車場に適している。

[大澤伸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android