コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

貨車 カシャ

5件 の用語解説(貨車の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

か‐しゃ〔クワ‐〕【貨車】

貨物輸送用の鉄道車両。有蓋(ゆうがい)車・無蓋車・冷蔵車などがある。

出典|小学館
デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

貨車【かしゃ】

貨物を積載する設備のある鉄道車両。構造と用途により有蓋(ゆうがい)貨車,タンク貨車無蓋貨車ホッパー貨車に分ける。これらはさらに冷蔵車,家畜車,長物車,石炭車など多種類に区別され,用途に応じた設備をもつ。
→関連項目車扱貨物

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

かしゃ【貨車 freight car】

貨物輸送を主目的とする鉄道車両。もっぱら機関車によって牽引され,自走はできない。貨物の種類や性質にあわせて,種々の構造や大きさのものがある。構造上からは,屋根のある有蓋貨車,屋根のない無蓋貨車,液体や粉体を積むため密閉構造となっているタンク貨車,荷卸しのためのホッパー(じょうご形の容器)をもつホッパー貨車および貨物の積載設備はないが車掌車や操重車などのようにその外観から貨車として扱われる事業用貨車の5種類に大別される。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

貨車
かしゃ
freight car

主として貨物の輸送に役だてる鉄道車両の総称。積載する貨物品種を限定しない一般用貨車と物資別輸送に適合した専用貨車がある。[西尾源太郎]

構造上の分類

(1)有蓋(ゆうがい)貨車 取り扱う専門者たちからヤネ車(しゃ)とよばれるように、箱形の車体をして、積載品がぬれては困るものに使用される。代表的な有蓋貨車としてはワムとかワキの記号の付してある一般用有蓋車がある。ワという記号は英語のワゴンwaggonからつけられた。側引き戸が設けてあり、貨物の出し入れと、錠および封印をして輸送中の盗難その他の事故を防止する構造になっている。このほか冷蔵車(レ)、通風車(ツ)、家畜車(カ)なども有蓋貨車に属する。有蓋貨車でも最近は専用貨車として使用される場合もあり、たとえばパレット積み専用(この場合は側面全部を引き戸構造としたものが用いられる)で、この種の専用貨車が多くなっている。
(2)無蓋貨車 一般に、ぬれてもかまわない粗い素材を輸送する貨車の総称であるが、ぬれや荷こぼれを防ぐためにシートを上掛けする場合もある。代表的な無蓋貨車としてはトラとかトキの記号のある貨車である。トという記号は英語のtruck(日本語化したトロッコ)からきたものである。以前は石炭、鉱石、機械、車両などの積載に広く使用されていたが、この種の貨物もそれぞれに適合する専用貨車によって輸送されることが多くなった。そのほかに平(ひら)貨車とよばれる囲いのない床面だけの構造の長物車(ながものしゃ)(記号チ)がある。チという記号は英語のtimber(木材)に由来し、主として大きな丸木材を輸送するのに使用された。現在は、鉄道用のレールで溶接して長尺物になったものをそのまま、何両も連結した長物車で輸送する。レールは横方向に柔軟性がある弾性を利用して曲線路通過も可能である。日本には少ないが、アメリカなどでは、高側壁貨車high side waggonとか嵩高(かさだか)品専用貨車bulk headded carなどが広い用途で使われている。
(3)ホッパー貨車hopper car 日本ではこの種の貨車は以前は無蓋貨車の範疇(はんちゅう)に入れていたが、物流技術の進歩に伴ってホッパー方式の貨車の普及が拡大して大類別の一つに加わった。構造としては漏斗(ろうと)状の車体で、上部が広く下部は傾斜壁面によって狭まり、品物を上部から積載して底部から取り出すのに便利である。記号としてはホキなどがつけられている。積載用品としては、石炭、ばら積み(包装しないで輸送すること)セメント、石灰石、飼料など、いわゆる粉粒体の輸送に供する。石炭用のものはとくに石炭車(記号セ)とよばれ、天蓋のない無蓋貨車の範疇に近いものである。一方、飼料を輸送するホッパー貨車はぬれを嫌うので上部も密閉する天蓋付きの構造になっている。屋根部に設けられた注入口の蓋(ふた)を開いて線路わきにあるサイロ設備から重力または圧送によって上部から粉粒体の積載を行う。アメリカなどでは小麦粉、穀類などもこの種のホッパー貨車で輸送されるのが原則であるが、日本では流通機構上ばら積み輸送がほとんど行われていない。ただし、ビール麦芽だけはホッパー貨車で輸送されている。
 石炭車は、産炭地から港湾設備まで専用列車で大量一貫輸送(ピストン列車)することが多いので、港湾終端駅には、積載したままの石炭車を回転して急速に石炭を取り出し、高架線路下部に設けた貯炭場に石炭を落下させるカーダンパー設備を有することが多い。以前は北海道の小樽(おたる)築港、室蘭(むろらん)港、九州の若松港にカーダンパー設備を有していた。アメリカではさらに大がかりなホッパー貨車需要があるので、貨車の自動連結器を特殊構造として、頸部(けいぶ)を軸として回転できるロータリーカップラーを有し、貨車が連結した列車在姿のままで所定位置にくると貨車を回転する荷卸し設備もある。
(4)タンク貨車tank car 石油やカ性ソーダなどの液体状の貨物を輸送する貨車で、一般に車体が密閉筒状のタンクで構成されている。記号としてはタキなどとよばれている。その代表的なものはタンク車である。水を輸送する目的のタンク貨車は水槽車(記号ミ)である。タンク車はガソリンとか化学薬品など引火性の強い貨物を輸送するものがあるので、とくに脱線事故防止、衝撃防止、誘引火災防止など、車両設計や運転取扱いの面で細かい配慮が行われる。[西尾源太郎]

新しい用途と貨車

最近の流通機構の変化に伴って、特殊な構造の物資別適合専用貨車が多く登場してきている。その代表的な例は自動車輸送用貨車(記号ク)である。以前は長物車で輸送していたが、これは乗用自動車あるいは小型トラックを2段積みにして列車の長さ方向に縦に積み走行、積み卸しするものである。積載された各自動車は緊定装置で固定される。自動車生産工場から各都市のディーラーに配送、あるいは輸出のために港まで大量輸送する目的で使用される。アメリカの鉄道では3段積みが普通で、また輸送中に自動車が破損事故を生じないように有蓋貨車(妻(つま)部は貫通式)のスタイルになっているのが最近の特徴である。
 コンテナ輸送の発達に伴って、平貨車をコンテナ積載専用に進歩改良させたコンテナ貨車が独立して類別される傾向になっている。日本では鉄道用としては5トンコンテナが標準化されて、5個積載のコンテナ車(記号コ)が主として使用されている。アメリカでは海運用のマリンコンテナ(長さ40フィート=12.2メートル、あるいは20フィート=6.1メートル)を陸上では鉄道あるいは貨物自動車で運ぶのが通例であり、この種の大型コンテナを2個あるいは1個積載するコンテナ車が需要の増大とともに技術的にも進歩改良を続けている。道路用のバントレーラー(これも40フィートの長さまである)をそのまま平貨車に積載するピギーバックpiggy backが、アメリカの鉄道貨物輸送の本流となった。ヨーロッパ諸国の鉄道では、バントレーラーの車輪脚部を平貨車の床に袋部分を設けて落とし込む設計のカンガルー方式貨車が普及している。
 日本の鉄道では、機関車でも旅客車でもないその他の事業用車両を貨車の範疇に入れている。たとえば車掌車(記号ヨ)がある。構造上からは有蓋貨車に属しているが、用途上からは事業用車両である。そのほか、事業用の貨車としては雪かき車(ラッセル車とかロータリー車など)、クレーンを装備した操重車(記号ソ)がある。操重車は従来、脱線事故復旧作業用が主であったが、最近では架橋や線路敷設などの建設工事用にも使われる。
 日本やヨーロッパ諸国の貨車は従来10トンないし20トンの積載荷重のものが主で、2軸貨車が多かった。しかし1970年代以降は30トン(ヨーロッパでは50トン)程度の大単位になってきたことと、貨物列車速度向上と走行安定性向上のために2軸ボギー貨車が多くなった。大陸国でありかつ大量の資源輸送を行っているアメリカ、ロシア、オーストラリア、中国、南アフリカ共和国などの鉄道の貨車は大型であり、1両の積載荷重が100トンに及ぶものがある。また貨物列車そのものも、ワンマイルトレーンとよばれるような長大編成が運転されている。
 なお、旅客列車に連結される手小荷物や郵便を輸送する車両は、たとえ貨車に似た構造であっても、旅客車の範疇に入れて、貨車とはよばない。[西尾源太郎]
『日本国有鉄道運転局車務課監修『客貨車関係法規便覧』(1983・交友社) ▽久保田博著『鉄道車両ハンドブック』(1997・グランプリ出版)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

今日のキーワード

稀勢の里寛

1986- 平成時代の力士。昭和61年7月3日生まれ。中学卒で鳴戸部屋に入門し,平成14年3月初土俵。16年5月新十両,同年11月には18歳4ヵ月で新入幕をはたす。18年7月新三役小結,21年3月新関...

続きを読む

コトバンク for iPhone

貨車の関連情報