最新 地学事典 「ハンモック状斜交成層」の解説
ハンモックじょうしゃこうせいそう
ハンモック状斜交成層
hummocky cross stratification
波長1~数m,波高10cm前後の,10°以下で緩やかに傾く波状の堆積構造。HCSと略されることが多い。上に凸の頂部をハンモック部,下に凸の谷部をスウェール部と呼ぶ。層理のセットの基底面は侵食面で,この面に平行に層理が発達する。また,粗粒シルトから細粒砂に発達し,雲母片や植物片などが葉理の基底に集まることが多い。小丘がランダムに配列する三次元的な形態である。一般的なサクセッションは,下からソールマークや貝殻片などのラグ堆積物がみられる基底面,HCS部,平行葉理部,リップル斜交葉理部,泥岩部で,供給源からの距離などによって変わる。周期が長く,流速の大きな振動流またはこれに弱い一方向流が重なった複合流によって形成される。地層では浅海の波浪が卓越した場での堆積物に多くみられる。泥岩層に挟まれる場合は,静穏時波浪限界より深く暴浪時波浪限界より浅い所で,嵐による大波で形成されたと考えられる。浅い場で堆積したものほど泥岩層の量・頻度が少なくなり,侵食によって泥岩が全部削られると,砂岩同士が重なった癒合ハンモック状斜交成層になる。また浅い所では,ハンモック部が削られてスウェール部のみからなるスウェール状斜交成層(SCS)が多くなる。HCSはJ.C.Harms(1975)が名称を提唱してから,ストーム堆積物および水深の指標として注目されるようになった。参考文献:J.C.Harms(1975) SEPM Short Course 2
執筆者:横川 美和

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

