バセドウクリーゼ

六訂版 家庭医学大全科 「バセドウクリーゼ」の解説

バセドウクリーゼ
(内分泌系とビタミンの病気)

 クリーゼとはクライシス(危機)のことで、バセドウクリーゼとはバセドウ病で命が危機にさらされるほどの究極の状態を指す言葉です。

 実際に明確な定義があるわけではなく、未治療のバセドウ病患者さんで感染症、手術、出産などのストレスをきっかけに、毎分120回以上の頻脈(ひんみゃく)、滝のように流れる汗、頻回下痢高熱、精神的な不穏状態などの激しい甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)が起こったものをいいます。

 眼球突出甲状腺腫などの状況からバセドウ病と推定したら、血液検査の結果などは待たずに治療を始めます。治療は大量の抗甲状腺薬β(ベータ)遮断薬、副腎皮質ステロイド薬酸素吸入、身体の冷却などです。現在でも死亡率は高く、10~75%といわれています。

 しかし、バセドウ病とすでに診断されている患者さんでクリーゼが起こることは極めてまれです。医師の指示に従って治療を続けている患者さんが、クリーゼを心配することはありません。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

関連語 ベータ 頻脈

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む