酸素吸入(読み)サンソキュウニュウ(その他表記)oxygen inhalation

デジタル大辞泉 「酸素吸入」の意味・読み・例文・類語

さんそ‐きゅうにゅう〔‐キフニフ〕【酸素吸入】

血液中の酸素欠乏の症状があるときに酸素を吸入させ、呼吸を助けること。肺炎一酸化炭素中毒高山病などの場合に行われる。

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精選版 日本国語大辞典 「酸素吸入」の意味・読み・例文・類語

さんそ‐きゅうにゅう‥キフニフ【酸素吸入】

  1. 〘 名詞 〙 呼吸困難や貧血などの病的状態により身体組織内の酸素が欠乏した時や、全身麻酔で行なう手術の時などに、空気中より濃い酸素を吸入させて組織のガス交換を助ける方法
    1. [初出の実例]「酸素吸入をやってゐると云ふ病人に」(出典:イボタの虫(1919)〈中戸川吉二〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「酸素吸入」の意味・わかりやすい解説

酸素吸入 (さんそきゅうにゅう)
oxygen inhalation

種々の原因による人体組織の酸素欠乏状態に対して,吸気に酸素を加えることによって,空気より濃い酸素を吸入させて呼吸不全の改善をはかる操作。主として喘息(ぜんそく),肺気腫,肺炎などの呼吸器疾患や,鬱血(うつけつ)性心不全,著しい貧血,一酸化炭素中毒などに対する治療法として行われるが,高山登山や加圧装置のない航空機内など,気圧が著しく低下する場合に酸素の不足を補う目的でも行われる。

 吸入の方法は,酸素ボンベから流量計を通して,鼻腔カニューレ,ベンチュリーマスク,フェーステントなどに酸素を導き,種々の比率で空気と混合して吸入させる。吸入酸素濃度は23%から40%程度のことが多い。50%以上の濃度で酸素吸入を続けると酸素中毒に陥り,肺炎,肺水腫などの肺障害,嘔吐などの神経症状を生ずる。長い間の肺気腫や睡眠薬中毒のように,呼吸中枢の血中二酸化炭素上昇に対する感受性が低下している場合は,酸素吸入は呼吸不足をきたすことがあり,低めの濃度で酸素を与えるか,人工呼吸器使用に切り替える必要のある場合が多い。
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百科事典マイペディア 「酸素吸入」の意味・わかりやすい解説

酸素吸入【さんそきゅうにゅう】

酸素または酸素分圧の高い空気を吸入させること。呼吸困難,ショック,貧血などの酸素欠乏状態や,手術時全身麻酔,手術後療法の際に行う。酸素マスク,酸素鼻腔カテーテル,酸素テント患者上半身をおおうテント内に酸素分圧の高い空気を循環させる),酸素室などが用いられ,換気障害がある場合は,レスピレータを用いて人為的に呼吸を行うこともある。
→関連項目在宅酸素療法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酸素吸入」の意味・わかりやすい解説

酸素吸入
さんそきゅうにゅう

全身状態が悪くて呼吸運動が十分に行えない場合,高所などの空気中の酸素が不足した環境にいるとき,あるいは全身麻酔時などに,酸素を与えて組織のガス交換を助ける方法。ボンベなどから酸素だけを与える方法と,吸気の酸素分圧を高める方法とがあり,酸素マスク,鼻腔カテーテル,酸素テント,酸素室などを用いて行われる。なお,加圧した酸素を吸入させる高圧酸素療法がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「酸素吸入」の意味・わかりやすい解説

酸素吸入
さんそきゅうにゅう

酸素療法

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