バセドウ病(読み)ばせどうびょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バセドウ病」の意味・わかりやすい解説

バセドウ病
ばせどうびょう

甲状腺(せん)がほぼ一様に腫(は)れて、そこからホルモンが大量に分泌されるためにおこる疾患で、約半数は眼球突出を伴う。ドイツの医師バセドウが最初に報告したので、この名がつけられた。

 男女比は一対四くらいで女性に多く、20~30歳代に多い。わが国には患者が数万人いると考えられる。原因は不明であるが、最近は、自己免疫により甲状腺を刺激する抗体が出現するためと考えられている。症状としては、動悸(どうき)、発汗手指の震え、だるさ、体重減少、食欲亢進(こうしん)、精神的不安定、不眠微熱、下痢、月経不順などがあげられる。診断には、血中の甲状腺ホルモン(サイロキシントリヨードサイロニン)の測定が用いられる。

 治療としては、内科的に抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジールまたはプロパジール)を服用すると2~3か月で症状はほぼ消失し、1年くらい服用を続けると、中止後も約半数は治癒する。そのほか、対症療法としてはβ(ベータ)遮断剤が用いられる。薬剤で治療しないときには、放射性ヨードを服用すると、その大部分が甲状腺に集まり、甲状腺細胞がその放射線によって破壊されるので、ホルモン分泌が減少して治癒状態になる。しかし、若い人では将来放射線障害のおそれがあるので、外科的に甲状腺の大部分を切除してホルモン分泌を減少させる方法が行われている。

鎮目和夫

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