パイフェル現象(読み)パイフェルげんしょう(英語表記)Pfeiffer's phenomenon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パイフェル現象」の意味・わかりやすい解説

パイフェル現象
パイフェルげんしょう
Pfeiffer's phenomenon

パイフェルの免疫溶菌試験ともいう。コレラ菌の生体内溶菌現象で,補体関与を必要とする抗原抗体反応の一つ。あらかじめコレラ菌で免疫しておいたモルモットの腹腔内にコレラの生菌を注射すると,産生されている抗体 (溶菌素) と補体が結合して,短時間で注射したコレラ菌の溶菌が起る。免疫していないモルモットではこの現象が認められない。これは R.パイフェルによって開発された方法で,コレラ菌の補助的同定法として,その診断に用いられたが,試験管内の方がむしろ定量的に測定できるので,現在は用いられなくなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android