日本大百科全書(ニッポニカ) 「パエリャ」の意味・わかりやすい解説
パエリャ
ぱえりゃ
paella スペイン語
スペインのバレンシア地方の代表的な米料理であるが、全国的によく賞味される一品といえる。パエリェラとよばれる丸型の浅い鉄製の鍋(なべ)で炊き、鍋から直接取り分けて食べるのが正式。具に魚貝だけを使うもの、肉を中心とするものなど種類は多い。もっとも代表的なものを紹介すると、材料は6人分で、米、水各2カップ、オリーブ油1.5カップに、とり肉(胸またはもも)400グラム、白身魚二切れ、タイショウエビ六尾、アサリ150グラム、ムール貝6個、イカ(中)1ぱい、タマネギ、ピーマン、トマトのみじん切り、ニンニク、サフラン、固形ブイヨン。作り方は、とり肉のぶつ切りをオリーブ油でよく炒(いた)める。別のフライパンでタマネギ、ピーマン、トマトのみじん切りを1カップのオリーブ油で炒め、洗っておいた米2カップを加え、弱火でしばらく混ぜる。別鍋に2カップの湯を沸かし、よく洗ったムール貝、アサリを入れて沸騰させる。貝が開いたら取り出しておき、この鍋にニンニク、サフラン、ブイヨンをすりつぶして溶かし入れスープをつくる。パエリェラにオリーブ油を敷いて魚とイカを炒めたら米を入れ、すぐにスープを入れる。さらにとり肉と貝を加え、エビを形よく並べて、つねに火が片寄らないようにパエリェラを動かしながら10分ぐらい炊く。その後オーブン中段に入れて、中央に10分間置く。
[ペレス・高木香世子]