パスカリス1世(読み)パスカリスいっせい(英語表記)Paschalis I

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パスカリス1世」の意味・わかりやすい解説

パスカリス1世
パスカリスいっせい
Paschalis I

[生]?. ローマ
[没]824.2.11. ローマ
ローマ出身の第98代教皇在位 817~824)。聖人。フランク帝国(→神聖ローマ帝国フランク王国)との関係に絶えず関心を払い,皇帝ルートウィヒ1世(在位 814~840)から,教皇座の独立と教会領地における宗主権,ローマ市民が教皇を自由に選出する権利を確保した。823年,ルートウィヒ1世の息子ロタール1世を共同皇帝として戴冠したが,これは教皇から皇帝へ帝位を手渡すことを開始し,ローマで即位させる慣例をつくった点で重要である。ビザンチン皇帝レオ5世(在位 813~820)の治下でイコノクラスム(偶像破壊運動)が復活した際,ローマに逃亡してきたギリシアの修道士らを保護した。荘厳なモザイク画があるサンタ・プラッセーデ教会とサン・ゼノ礼拝堂を在位中に完成させ,またセシリア聖遺物カタコンベ(地下墓地)からローマへ移転させた。祝日は 5月14日。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android