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聖遺物 せいいぶつrelique; relics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

聖遺物
せいいぶつ
relique; relics

聖者の遺体,またはそれに触れた物 (衣服,所持品) 。聖者崇敬のしるしとして尊敬される。キリスト教では古来殉教者崇敬と並んで行われ,4世紀にキリストの十字架や聖人たちの聖遺物の発見,聖遺骨コンスタンチノープルへの移転を機に崇敬が盛んになり,交換,収集,巡礼が行われてきた。聖遺物は聖遺物匣 (こう) に納めて祭壇などに安置される。売買厳禁。 11月5日が全聖遺物の祝日。東方ではむしろ聖画像に崇敬が集中。宗教改革者は否定。仏教では仏陀の遺骨が分与されたのをはじめ,教義的裏づけのもとに崇敬が盛んである (仏舎利,仏足跡など) 。イスラムでも聖遺物崇敬の風習がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいいぶつ【聖遺物 reliquiae[ラテン]】

教祖や聖人の遺骸,遺品に対する尊崇は洋の東西を問わず多くの宗教に見られるが,通常はとくにキリスト教の諸聖人の遺骸や遺品をさす。奇跡を生む力があると信じられ,とりわけ中世ヨーロッパにおいて,有名な聖遺物を奉安する聖堂や修道院には巡礼が集まった。民衆の信仰の本質は聖遺物崇拝であった,少なくともそれが決定的な活力を信仰に供給していたと考えられる。4世紀にはすでに聖遺物崇拝が定着している。聖マルティヌス(サン・マルタン)の臨終(397)には,トゥールとポアティエの住民が集い,遺骸の帰属をめぐって争った。

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大辞林 第三版の解説

せいいぶつ【聖遺物】

カトリック教会で、聖人の遺骨や着衣などの遺物の尊称。崇敬の対象とされる。

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世界大百科事典内の聖遺物の言及

【祭壇】より

…祭壇は現在でも多くの教会で聖卓Holy Table,聖餐卓Communion Tableと呼んでいるように,〈最後の晩餐〉にならって十字架の犠牲がくり返しささげられる場であり,人間の祈りと聖霊との交わりの場であると理解されている。3世紀以来殉教者の墓で聖餐を守る習慣が生まれたことから棺の形にしつらえた石の祭壇となり,殉教者の遺骨や遺物(聖遺物)は聖別された祭壇の中か,聖遺物匣(ばこ)に入れるカトリック教会の慣習の起源となった。6世紀以降個人的ミサが行われるようになって主祭壇と並んで副祭壇がつくられるようになり,また旅行などに携帯祭壇も用いられた。…

【巡礼】より

…シャルトルやル・ピュイ・アン・ブレをはじめ,巡礼者の集まったマリアの霊場も数多い。 巡礼者は聖人の墓所つまり遺骸のある所,そうでない場合にも遺品のある所に集まったので,聖遺物崇拝と密接に関係している。規模の差こそあれ,聖遺物を保持して巡礼者を集めた教会堂は全西欧におびただしく存在し,盛衰を繰り返したのである。…

※「聖遺物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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