パトリックモディアノ(英語表記)Patrick Modiano

現代外国人名録2016 「パトリックモディアノ」の解説

パトリック モディアノ
Patrick Modiano

職業・肩書
作家

国籍
フランス

生年月日
1945年7月30日

出生地
パリ近郊ブーローニュ・ビヤンクール

本名
Modiano,Patrick Jean

学歴
アンリ四世校卒,ソルボンヌ大学文学部中退

勲章褒章
フランス芸術文化勲章シュバリエ章

受賞
ノーベル文学賞〔2014年〕,ロジェ・ニミエ賞〔1968年〕,フェネオン賞〔1969年〕,アカデミー・フランセーズ小説大賞〔1972年〕「パリ環状通り」,ゴンクール賞〔1978年〕「暗いブティック通り」

経歴
父はイタリア系ユダヤ人、母はベルギー人。1968年若冠22歳で処女作「エトワール広場」を発表、ロジェ・ニミエ賞とフェネオン賞の2文学賞を受けて華々しいデビューを飾る。’72年には「パリ環状通り」を出版、同年度のアカデミー・フランセーズ小説大賞を獲得して、アカデミー賞史上最年少での受賞者となる。さらに’78年には「暗いブティック通り」を発表、同年度のゴンクール賞を受賞して、名実ともに現代フランス新世代を代表する作家の地位を確立した。他にルイ・マル監督「ルシアン青春」など映画の台本戯曲児童文学まで幅広く活躍。2014年ノーベル文学賞受賞。他の著書に「イヴォンヌの香り」(’75年)、「八月日曜日」(’86年)、「カトリーヌとパパ」(’88年)、「いやなことは後まわし」(’88年)、「廃墟に咲く花」(’91年)、「サーカスが通る」(’92年)、「1941年。パリの尋ね人」(’97年)、「さびしい宝石」(2001年)、「失われた時のカフェで」(2007年)、「地平線」(2010年)、「L’Herbe de nuit」(2012年)などがある。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

知恵蔵 「パトリックモディアノ」の解説

パトリック・モディアノ

フランスの小説家。1945年7月30日生まれ、パリ近郊のオードセーヌ県ブローニュ=ビヤンクール出身。「モディアノ中毒」という言葉があるほど、フランスで最も読まれている人気作家。2014年のノーベル文学賞を受賞。ノーベル賞の受賞理由は「記憶を扱う芸術的手法によって、最もつかみ難い種類の人間の運命について思い起こさせ、占領下の生活、世界観を掘り起こした」とされた。
ナチス・ドイツの占領下にあったパリで出会ったユダヤ系イタリア人の父と、ベルギー人の母の間に生まれる。ソルボンヌ大学を中退後、創作活動に専念し、1968年に『エトワール広場』で文壇デビュー。父や自己のアイデンティティー模索という奥深いテーマを簡潔明瞭な文章によって表現する作風が高い評価を受け、72年に『パリ環状通り』でアカデミー・フランセーズ大賞を受賞したほか、78年には『暗いブティック通り』で、フランスで最も権威のある文学賞の一つであるゴンクール賞を受賞。74年には『ルシアンの青春』がルイ・マル監督により、94年には『悲しみのビラ』がパトリス・ルコント監督により『イヴォンヌの香り』というタイトルで、映画化された。
小説のバックボーンとなるのはユダヤ人の問題で、モディアノ自身、ユダヤ系作家を掲げている。翻訳された作品も多い。

(城島充 フリーライター/2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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