パラコート

デジタル大辞泉 「パラコート」の意味・読み・例文・類語

パラコート(paraquat)

除草剤の一。成分はジメチルビピリジニウム二塩化物。接触すると茎・葉は1、2日で枯れる。きわめて毒性が強く、人間では致死性が高いうえ解毒剤はない。もと商標名。

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化学辞典 第2版 「パラコート」の解説

パラコート
パラコート
paraquat

1,1′-dimethyl-4,4′-bipyridinium dichloride.C12H14Cl2N2(257.15).グラモキソン,メチルビオローゲンともいう.ピリジンを金属マグネシウムと反応させて1,1′,4,4′-テトラヒドロ-4,4′-ビピリジンとし,これを空気酸化してビピリジンとしたのち,メチルクロリドでメチル化すると得られる.無色結晶.分解点340 ℃.水溶解度620 g L-1(20 ℃).光化学系Ⅰから電子を受けとり,酸素分子を還元して超酸化物を発生させ,細胞膜を損傷する非選択性除草剤.LD50 129~157 mg/kg(ラット経口).[CAS 1910-42-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「パラコート」の意味・わかりやすい解説

パラコート

除草剤一種。白色結晶で水に溶ける。茎葉に処理することによって植物体内で活性酸素を生成し,ほとんどすべての雑草を枯死させる。土壌中では速やかに分解される。

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世界大百科事典(旧版)内のパラコートの言及

【グラモキソン】より

…ビピリジニウム系除草剤の商品名で,一般名としてパラコートが用いられる。イギリスのICI社が,同系列の除草剤,ジクワットにひきつづいて,1950年代に開発した除草剤である。…

【除草剤】より

…水田のノビエの防除によく用いられていたが,魚毒性が大きい欠点を有し,現在では使用されない。パラコート,ジクワットなどが属するビピリジニウム系除草剤は接触的に作用し,土壌中で急速に吸着されて不活性化するので,果樹園の下草の除草や,乾田直播の水稲栽培において,播種(はしゆ)前の雑草防除に用いられる。 トリフルラリンなどのジニトロアニリン構造を含む除草剤は,畑作,芝生などの一年生イネ科,広葉雑草の防除に用いられる非選択的,移行型除草剤である。…

※「パラコート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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