パラコール

化学辞典 第2版 「パラコール」の解説

パラコール
パラコール
parachor

ある液体(分子量M)の表面張力をγ,その液体およびそれと平衡にある飽和蒸気規圧密度をそれぞれ d1dv としたとき,

Mγ 1/4/(d1dv)
をいい,その液体の性質によって決まる量であって,温度によらない一定値となる.一般に加成性を示すことが多い.温度が臨界温度に近くなく,d1 に対し dv が無視できるならば,上式は

Mγ 1/4/d1
となり,パラコールは近似的に表面張力が1の液体のモル体積に相当することがわかる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラコール」の意味・わかりやすい解説

パラコール
parachor

S.サグデンによって導入 (1924) された表面張力に関する物質定数表面張力を γ ,ある温度での物質の液体および気体密度を ρL ,ρV とすると,近似的に次式が成立する。

γ=cL-ρV)4

ここで c は温度に無関係な値である。パラコールは ( M は分子量) で定義される。これはモル体積と同じく加成性があり,原子パラコール,構造パラコールの和として,モルパラコールを考えることができる。この値と実測値に著しい差があるときは,分子内に配位結合などの存在が予測される。

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