パンスターズ彗星(読み)ぱんすたーずすいせい(その他表記)Comet Pan-STARRS

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンスターズ彗星」の意味・わかりやすい解説

パンスターズ彗星
ぱんすたーずすいせい
Comet Pan-STARRS

国際的な全天観測計画であるパンスターズ(Pan-STARRS:Panoramic Survey Telescope And Rapid Response System)により観測された彗星。数多く観測されているが、とくに2011年6月に発見された彗星(C/2011L4)をさしていうことが多い。この彗星は、2013年の春(3月から4月にかけて)、太陽に最接近して0等級の大彗星になると期待されたが、実際の光度は3等級にとどまった。そのため、肉眼による観測はむずかしかったものの、双眼鏡や写真などで美しい彗星の姿を見ることはできた。非周期彗星であるため、二度と太陽には近づかず、太陽系から離れて行くと予想される。

[編集部 2023年7月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「パンスターズ彗星」の解説

パンスターズ彗星

米国ハワイ州・マウイ島ハレアカラに設置されたパンスターズ1望遠鏡により、2011年6月に発見された彗星。ちり鉱物を含んだ主成分の氷が太陽の熱で溶け、尾となって輝いて見える。同彗星が太陽に接近するのは13年の1度のみで、その後は二度と地球周辺に戻ってこないと考えられている。日本では彗星が太陽に最も近づく同年3月10日以降、日の入り後の西の空の低い位置に見られるようになり、3月下旬から4月上旬には日の出前の東の空の比較的高い位置でも観測が可能となる。明るさは肉眼で見える3等級程度と予測されている。

(2013-3-6)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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