普及版 字通 「ヒ・たまう・あたえる」の読み・字形・画数・意味
8画
(異体字)
9画
[字訓] たまう・あたえる
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
金文の字形は矢(かぶらや)の形に作り、鳴の象形かと思われる。〔説文〕五上に「相ひ付與するの(物)、閣上に在り。(き)に從ひ、(ふつ)聲」とする。〔伝〕にを「は信(しん)なり」とするが、いずれにしても字の声と合わず、形声の字としがたい。金文の〔中方鼎〕に「土を(おく)り(あた)ふ」、〔班(はんき)〕に「否(おほ)いに純陟(じゆんちよく)を(あた)へられたり」のように用いる。また〔書、多方〕「大いに顯休の命を湯にし、夏を刑殄(けいてん)し、維(こ)れ天、純を(あた)へず」とあるのも同じ。金文の字形がの初形である。これを賜与の義とするのは、賜与のときに矢をそのしるしとして与えることがあったのであろう。矢は矢誓のときにも用いるものであった。賜の初形は易で、これは盃酒を賜う意。易は盃に酒を注ぐ形である。
[訓義]
1. たまう、あたえる。
2. あたえるもの。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アタフ
[声系]
〔説文〕に声として(鼻)・(へい)・(い)を収める。は自が象形であるから声。(ひ)もその声が近い。は孛(いぼつ)の形で、花の子房がふくらみかけ、なお花(かたい)が残って垂れている形で象形。声に従う字ではない。
[熟語]
矜▶
[下接語]
簡・帝・天・投・秉・付
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報