ひってん(読み)ヒッテン

デジタル大辞泉 「ひってん」の意味・読み・例文・類語

ひってん

[名・形動]《江戸時代天明(1781~1789)ごろに流行した語。歌舞伎界から出た語という》何もないこと。貧乏なこと。また、そのさま。無一物むいちもつ
姉女郎の道具身の廻りの―な上」〈洒・格子戯語〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ひってん」の意味・読み・例文・類語

ひってん

  1. 〘 名詞 〙 ( 神楽の陰気な調子に合わせる踊りから生まれた歌舞伎界の語という。天明(一七八一‐八九)頃の流行語 ) 貧乏なこと。無一文。ひどでん。
    1. [初出の実例]「そこやかしこの茶や茶やのさがりにくるしむ当時のひってん」(出典:洒落本・廓節要(1799))
    2. 「よくよく貧窮(ヒッテン)な客と見たものだから」(出典人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android