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ヒト癌ウイルス(読み)ヒトがんウイルス(その他表記)human oncogene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒト癌ウイルス」の意味・わかりやすい解説

ヒト癌ウイルス
ヒトがんウイルス
human oncogene

ヒトに癌を発生させるウイルスは次の4種類が知られているが,感染すると必ず癌になるというわけではない。 (1) ヒトT細胞白血病ウイルスは西南日本に多い成人T細胞白血病 (ATL) の原因であることがわかっているが,感染から発病まで数十年かかり,しかも発病者は 1000人に1人程度と低い。 (2) EBウイルスアフリカの子供にバーキットリンパ腫を,中国南部出身の中国人に鼻咽頭癌を起すことがわかっているが,発癌に特殊な要因があるとみられ,普通の人は感染しても発癌しない。しかし,白血病以外に痙性脊髄麻痺 (HAM) という神経疾患の原因になっている可能性が指摘されている。 (3) ヒトパピローマウイルスは種類が多く,そのいくつかが子宮頸癌の原因と疑われているが,ほかの要因もありうる。 (4) 肝炎ウイルスのうちB型とC型が肝癌に関係がある。いずれもウイルス性肝炎から肝硬変へと進行すると,癌が生じることが多い。

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