ヒラマキミズマイマイ(読み)ひらまきみずまいまい(英語表記)ram's horn snail

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒラマキミズマイマイ」の意味・わかりやすい解説

ヒラマキミズマイマイ
Gyraulus chinensis; ram's horn snail

軟体動物門腹足綱ヒラマキガイ科。淡水貝。別名ヒラマキガイ。殻高 0.2cm,殻径 0.6cm。殻は黄褐色,薄質半透明で,扁平な盤状。螺層は4~5階で,上下に平たい。腹面の臍孔は非常に広い。殻口は前下方へ傾き,楕円形。殻の形態は見かけ上右巻きであるが,体の構造は生殖口が左側に開くなど,左巻き貝類のものとなっている。軟体は赤みがあり,頭の触角は細長く,その基部に眼がある。日本全土,中国,東南アジアからインドを経てペルシア湾東岸まで広く分布し,池沼や水田などの水草や石の上にすむ。インドヒラマキガイ Indoplanorbis exustusは東南アジア原産で殻高 1cm,殻径 2cmになり大きく,熱帯魚の水槽などで飼われるが,野外でも発見される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒラマキミズマイマイ」の意味・わかりやすい解説

ヒラマキミズマイマイ
ひらまきみずまいまい / 平巻水蝸牛
ram's horn snail
[学] Gyraulus chinensis

軟体動物門腹足綱ヒラマキガイ科の巻き貝。淡水性で、この科の代表的な種であり、学名にはG. hiematiumやG. spirillusなどの異名がある。北海道から沖縄までの日本全国から台湾までに分布し、比較的水のきれいな田や池沼にすみ、水草や石の上をはっている。殻高1.8ミリ、殻径6ミリの微小種で平巻き状、殻口のほうから螺塔(らとう)はまったく見えない。殻は薄く半透明で、飴(あめ)色。螺層は4~5階巻き、体層には弱い螺状肋(ろく)が1本生じ、その上に殻皮毛が生えていることがある。殻底には広い臍孔(へそあな)がある。殻口は斜めで、蓋(ふた)はない。軟体は長い触角をもち、赤みがかっている。

[奥谷喬司]

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