改訂新版 世界大百科事典 「ビルイッタ」の意味・わかりやすい解説
ビルイッタ
Birgitta
生没年:1303ころ-73
スウェーデンの聖女。列聖1391年,祝日は10月8日。スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラに共に巡礼した夫の死(1344)後,少女時代からあった彼女の宗教的体験と,これに触発された活動が本格的になった。〈神の道具〉〈キリストの花嫁〉を自認して,国内では宮廷と騎士階級の浪費,聖職階級の世俗化を激しく攻撃,国際的にはアビニョンにあった教皇のローマ帰還を強く働きかけた。1350年以降はローマに滞在。20年後に自身の男女共同礼拝修道院を南スウェーデンのバーステーナに創設する許しをウルバヌス5世より得た。やがて彼女の厳格な会規則はウルバヌス6世によって全面的に認可された(1378)。著書《天啓》は中世スウェーデン文学の傑作の一つ。
執筆者:菅原 邦城
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報