最新 地学事典 「フォン・ミーゼスの条件」の解説
フォン・ミーゼスのじょうけん
フォン・ミーゼスの条件
von Mises’ condition
多結晶体を均一に塑性変形させるために必要な条件。一般に,xyz空間における歪みテンソルは(εxx, εyy, εzz, εxy, εxz, εyz)のように6個の独立な成分をもつ。一方,結晶すべりによる変形は体積不変であることから εxx + εyy + εzz =0という拘束があり,塑性歪みの独立な成分は5個となる。さまざまな結晶方位をもつ多結晶体において粒界の隙間や重なりをつくらず均一に変形させるには,結晶粒子を任意の形に変形できることが必要で,少なくとも5個の独立なすべり系をもつことが条件。対称性の低い結晶では独立なすべり系が少なく,この条件を満たさないことがあり,小さな歪みで破断面を生じ破壊しやすくなる。破壊せずに,転位の上昇運動や拡散クリープなど,結晶すべりとは別の機構により歪みの不均一が緩和される場合もある。
執筆者:清水 以知子
参照項目:すべり系
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

