フタオカゲロウ(読み)ふたおかげろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フタオカゲロウ」の意味・わかりやすい解説

フタオカゲロウ
ふたおかげろう / 双尾蜉蝣

昆虫綱カゲロウ目フタオカゲロウ科Siphlonuridaeの昆虫の総称。体長10ミリメートル前後のものが多いが、オオフタオカゲロウのように20ミリメートル前後のものもいる。いずれも幼虫河川渓流にすむため、成虫はその沿岸においてみられる。はねにはよく発達した多数の脈があり、後翅(こうし)は小さい。雄の把握器は4節、尾は2~3本。幼虫は頭が狭く、複眼側方につき、体は細長、7対の円盤状鰓(さい)が腹部側方に突き出、尾は3本でそれぞれに長毛列をもつ。代表種は各地の比較的流れの緩やかな河川の渓流に幼虫がすむオオフタオカゲロウSiphlonurus binotatus、ヒメフタオカゲロウAmeletus montanusなどで、仲春から晩春に成虫がみられる。チラカゲロウIsonychia japonicaもかつてはこの科に入れられていたが、現在では独立のチラカゲロウ科Isonychiidaeに分けられる。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のフタオカゲロウの言及

【カゲロウ】より

…渓流や流水中で生活するグループには,流水に適応した扁平な体型をもち,急流中の石の面上に取り付いて生活するヒラタカゲロウやタニガワカゲロウ。また,魚のような紡錘形の体で,水中の石の間を巧みに遊泳するグループには,チラカゲロウ,フタオカゲロウ,コカゲロウ,トビイロカゲロウなどがある。ふちや川岸に近い静水中の樹枝片や落葉,石間のごみの中や石のくぼみには,体にとげが多く,行動はのろのろしているマダラカゲロウが生息する。…

※「フタオカゲロウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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