化学辞典 第2版 「フッ化ペルクロリル」の解説
フッ化ペルクロリル
フッカペルクロリル
perchloryl fluoride
ClO3F(102.25).KClO3と F2,またはKClO4とHSO3Fからつくる.無色の特有臭のある気体.Cl原子を中心とした四面体型構造(C3v 対称).F-Cl1.62 Å,Cl-O1.40 Å.∠F-Cl-O101°,∠O-Cl-O117°.融点-147.7 ℃,沸点-46.7 ℃.約400 ℃ まで熱的に安定である.無水なら金属を侵さない.濃アルカリ溶液でも分解しないが,エタノール中のKOHとはすみやかに反応する.還元剤とは反応する.有機合成でフッ素の導入試薬,酸化剤として用いられる.気体の絶縁破壊電圧が高いため高電圧系の絶縁気体としても用いられる.[CAS 7616-94-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報