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反応速度 はんのうそくどreaction rate; reaction velocity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

反応速度
はんのうそくど
reaction rate; reaction velocity

単位時間あたり (一般には秒単位) の反応物質濃度の減少,または生成物質濃度の増加量。可逆反応の場合は正反応と逆反応の速度の差が見かけ上の反応速度として現れ,両者が等しくなった段階が平衡状態である (動的平衡 ) 。反応速度は反応物質の濃度,圧力温度などの反応条件によって変化する。濃度が大きいほど,温度が高いほど反応速度は大きい。また反応とは直接無関係な第三物質の添加によっても反応速度が影響を受ける場合がある。この第三物質を触媒 (速度を大きくするものを正触媒,小さくするものを負触媒) という。化学反応はほとんどの場合,いくつかの簡単な反応過程 (素反応) の組合せである。したがって,それぞれの素反応のうちで最も反応速度の遅い過程が全体の化学反応速度を決める。これを律速段階という。反応速度の測定は反応時間とともに変化する反応物質,または生成物質の濃度 (または量) を直接化学分析するか,または濃度 (または量) と比例して変化する物理量 (たとえば容積,屈折率,光吸収量など) を測定する方法が用いられる。

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デジタル大辞泉の解説

はんのう‐そくど〔ハンオウ‐〕【反応速度】

化学反応の進行する速さ。単位時間当たりに反応物質が変化する量、あるいは生成物質の量で表す。

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百科事典マイペディアの解説

反応速度【はんのうそくど】

化学反応の進む速さ。化学反応の進行とともに反応物の濃度は減少し,それに応じて生成物の濃度は増加する。単位時間当りの反応物の濃度の減少,または生成物の濃度の増加(各物質の濃度変化を化学方程式における係数で,それぞれ割ったもの)を反応速度といい,反応物または生成物の濃度が時間とともにどのように変化するかを調べて測定される。
→関連項目オストワルト化学反応活性化エネルギー速度

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世界大百科事典 第2版の解説

はんのうそくど【反応速度 reaction rate】

化学反応が進む速度。反応速度は反応の種類によってさまざまである。爆発は迅速に進む反応によって起こるのに対し,腐食は一般にかなり遅い反応である。反応速度は,一般に反応により変化する物質の時間的変化率で表される。反応速度を調べることは,実際上必要であるばかりでなく,化学反応の仕組みを解明するためにも重要であり,とくに反応速度を取り扱う学問分野に反応速度論chemical kineticsあるいは化学動力学がある。

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大辞林 第三版の解説

はんのうそくど【反応速度】

化学反応の進行する速度。反応に関与する物質(反応物)の濃度の単位時間当たりの変化量で表す。温度・圧力・触媒などによって変化する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

反応速度
はんのうそくど
reaction rate

化学反応の進む速さをいう。化学反応には火薬の爆発のようにきわめて速い反応、水溶液中での金属イオンの沈殿反応のような速い反応から、デンプンの加水分解反応、湿った空気中での鉄片が錆びる反応などのようにゆっくりとした反応がある。これらの反応速度は、単位時間内に反応物質(反応の原系または生成系の物質)の量がどれだけ変化したかという割合で表す。反応物質の量としては、溶液の場合はその物質の濃度、気体の場合はその物質の圧力(分圧)を用いることが多い。たとえば、
  aA+bB―→cC+dD
の反応で、その速度vは、

で表される。この速度の実測結果が、反応の原系の物質(反応物)の濃度([ ]をつけて表す)に次式のような形で表される場合、
  vk[A]m[B]n
mまたはnはそれぞれAまたはBについての反応の次数といい、mnを全反応の次数という(mnはそれぞれabに等しい場合も、そうでない場合もある)。m=1,n=1の場合、全反応の次数は2、すなわち二次反応であるという。この場合、反応物の初濃度がわかっていて、それぞれaおよびbであり、ある時刻までにxだけの濃度分が反応してしまったとすれば、残りの濃度は、axであるから、

ここで比例定数kを速度定数という。kはA、Bがいずれも単位の濃度のときの速度なので比速度ということもある。
 化学反応には、つねに反応式の右向きの反応(正反応)と同時に左向きの反応(逆反応)がおこっている。
 逆反応の実測からその速度v'が、
  v'=k'[C]p[D]q
で表されたとするとき、k'を逆反応の速度定数という。反応が平衡に達すればvv'であり、質量作用の法則が導かれる。
 反応速度は反応物質の濃度以外に温度にも依存する。速度定数の温度依存は、
  kAexp(-Ea/RT)
で表すことができる。ここにEは活性化エネルギー、Tは絶対温度、Rは気体定数、またAは定数である。この式をアレニウス式という。普通の反応では室温付近で温度が10℃上がると速度が2~4倍ぐらいになる。これは活性化エネルギー(反応が進むために乗り越えなければならないエネルギー障壁の高さに相当する)が1モル当り12~24キロカロリーであることを意味する。[戸田源治郎・中原勝儼]
『長哲郎編『共立化学ライブラリー8 反応速度』(1974・共立出版) ▽秀島武敏著『現代物理化学講義――化学熱力学と反応速度』(1996・培風館) ▽斎藤勝裕著『反応速度論』(1998・三共出版) ▽慶伊富長著『反応速度論』第3版(2001・東京化学同人)』

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