ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
反応速度
はんのうそくど
reaction rate; reaction velocity
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化学反応の進む速さをいう。化学反応には火薬の爆発のようにきわめて速い反応、水溶液中での金属イオンの沈殿反応のような速い反応から、デンプンの加水分解反応、湿った空気中での鉄片が錆びる反応などのようにゆっくりとした反応がある。これらの反応速度は、単位時間内に反応物質(反応の原系または生成系の物質)の量がどれだけ変化したかという割合で表す。反応物質の量としては、溶液の場合はその物質の濃度、気体の場合はその物質の圧力(分圧)を用いることが多い。たとえば、
aA+bB―→cC+dD
の反応で、その速度vは、
で表される。この速度の実測結果が、反応の原系の物質(反応物)の濃度([ ]をつけて表す)に次式のような形で表される場合、
v=k[A]m[B]n
mまたはnはそれぞれAまたはBについての反応の次数といい、m+nを全反応の次数という(m、nはそれぞれa、bに等しい場合も、そうでない場合もある)。m=1,n=1の場合、全反応の次数は2、すなわち二次反応であるという。この場合、反応物の初濃度がわかっていて、それぞれaおよびbであり、ある時刻までにxだけの濃度分が反応してしまったとすれば、残りの濃度は、a-xであるから、
ここで比例定数kを速度定数という。kはA、Bがいずれも単位の濃度のときの速度なので比速度ということもある。
化学反応には、つねに反応式の右向きの反応(正反応)と同時に左向きの反応(逆反応)がおこっている。
逆反応の実測からその速度v'が、
v'=k'[C]p[D]q
で表されたとするとき、k'を逆反応の速度定数という。反応が平衡に達すればv=v'であり、質量作用の法則が導かれる。
反応速度は反応物質の濃度以外に温度にも依存する。速度定数の温度依存は、
k=Aexp(-Ea/RT)
で表すことができる。ここにEは活性化エネルギー、Tは絶対温度、Rは気体定数、またAは定数である。この式をアレニウス式という。普通の反応では室温付近で温度が10℃上がると速度が2~4倍ぐらいになる。これは活性化エネルギー(反応が進むために乗り越えなければならないエネルギー障壁の高さに相当する)が1モル当り12~24キロカロリーであることを意味する。
[戸田源治郎・中原勝儼]
『長哲郎編『共立化学ライブラリー8 反応速度』(1974・共立出版)』▽『秀島武敏著『現代物理化学講義――化学熱力学と反応速度』(1996・培風館)』▽『斎藤勝裕著『反応速度論』(1998・三共出版)』▽『慶伊富長著『反応速度論』第3版(2001・東京化学同人)』
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
化学反応の進行する速さ.一つの化学反応式で表示されるような反応では,反応原系のいずれか一つの成分の単位時間当たりの減少量,あるいは生成物質のいずれか一つの成分の単位時間当たりの増加量で表される.たとえば,
3H2 + N2 → 2NH3
では,
はいずれも反応速度を表し,
v1 = 3v2 = (3/2)v3
の関係があるが,定義さえ明確にすれば便宜上いずれを用いてもさしつかえない.可逆反応では,とくにことわらないかぎり,反応速度は正反応の速度と逆反応速度
の差をさす.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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