フルングニル(その他表記)Hrungnir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フルングニル」の意味・わかりやすい解説

フルングニル
Hrungnir

北欧神話巨人。あるときアスガルズを訪れ,神々のもてなしを受けているうちに泥酔して,無礼な言葉を吐いているところをトルに聞きとがめられ,挑戦を受けて3日後に戦うことになった。シアルフィを供に連れて決戦場に来たトルは,ミヨルニル一撃でフルングニルの武器であった火打石の棒を粉砕したうえ,頭まで打砕いて巨人を殺したが,これによって以後地上のどこにも火打石が発見されることになった。また石棒破片の一つはトルの額に突刺さったままになったという。

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世界大百科事典(旧版)内のフルングニルの言及

【心臓】より

…エジプト民話(前1200ころ?)には,杉の花の頂きに心臓を置いて死んだ弟のために,3年以上も捜しまわって,ようやく心臓を見つけて水に浸し,これを飲ませて生きかえらせた兄の話がある(《二人兄弟の物語》)。エッダ神話の巨人フルングニルは三角形の石の心臓をもって勇敢だった。また〈アイスランド・サガ〉中の勇士ソルゲイルが戦死した後,人々は胸を割いて心臓を見たところ,実は非常に小さかったので嘲笑したという。…

※「フルングニル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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